シマノ ホリデー磯 3-400と3-400PTSの違いを徹底比較|タチウオ遠投で乗り換えて分かったこと

磯竿には遠投仕様という別モデルが存在 釣りアイテム・仕掛け
上側は普通の磯竿、下側は遠投磯竿

大阪単身赴任時代から4mの磯竿としてシマノ「ホリデー磯 3-400」を愛用し、特に不満もなく使い続けてきました。ところが今年、横須賀でタチウオのシーズン前に40m以上の遠投が必要な状況に直面し、磯竿には遠投仕様という別モデルが存在することを初めて知りました。

そこでノーマル仕様の3-400から遠投仕様の3-400PTSへ切り替え、実際に両方を使ってみた経験をもとに、2機種の違いを分かりやすくまとめます。同じように「遠投したいけれど、どちらの磯竿を選べばいいのか」と迷っている方の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人
鮎川水理

□タチウオ電気ウキ釣り歴6年
■一晩で太刀魚40匹釣った経験あり
□海辺つり公園、うみかぜ公園など横須賀をメインに電車釣行中
■周囲が釣れていない中で自分だけ爆釣することもよくあります(笑)
□現在60代の会社員。子どもの頃は漫画『釣りキチ三平』に夢中でした

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そもそも「PTS」とは何の略か

リールシート:プレートチート(上)とパイプシート(下)

リールシート:プレートシート(上)とパイプシート(下)

ノーマルガイド(上)とテレスピンガイド(下)

ノーマルガイド(上)とテレスピンガイド(下)

型番末尾の「PTS」は、2つの装備を組み合わせた略称です。

記号 意味 内容
P パイプシート リールを固定する台座が太いパイプ状で、ナットで締め込むタイプ
TS テレスピンガイド 遠投用ガイド。糸を通す輪が大きく、本数が少ない

つまりPTSは「リールをガッチリ固定して、大きなガイドで遠くへ投げる」ための仕様ということになります。竿の素材(ブランク)自体はほぼ同じで、違うのはリールシートとガイドという2つのパーツなのです。

ホリデー磯 3-400と3-400PTSのスペック比較

3-400と3-400PTS

カタログスペックを並べると、違いは意外なほど少ないことが分かります。

項目 3-400(ノーマル) 3-400PTS(遠投仕様)
全長 4.04 m 4.00 m
継ぎ方式 振出 振出
継数 5本 5本
仕舞寸法 91 cm 94 cm
自重 170 g 200 g
先径 1.5 mm 1.6 mm
錘負荷 5〜8号 5〜8号
適合ハリス 3〜7号 3〜7号
カーボン含有率 84.5% 85%
リールシート プレート型(軽量) パイプシート(ナット式・頑丈)
ガイド数 9個 8個
ガイド径 小さい 大きい
ガイド種類 通常テレガイド テレスピンガイド(大口径・遠投向き)
商品コード 251657 251688

実質的な差は4つだけ

スペック表から読み取れる違いは、次の4点に集約されます。

  • ガイド:PTSは数が1個少なく(9個→8個)、径が大きい ← これが遠投性能の決め手
  • 重さ:PTSが30g重い(パイプシート+大口径ガイドの分)
  • 仕舞寸法:PTSが3cm長い(持ち運びの差はほぼ無視できる範囲)
  • 先径:PTSが0.1mm太く、穂先がわずかに丈夫

注目したいのは錘負荷と適合ハリスが同じだという点です。つまり扱える仕掛けの重さ自体は変わりません。違いはあくまで「軽快に扱いたいか」「重い仕掛けを遠投したいか」という用途の差なのです。

遠投の決め手はガイド|数と径が飛距離を左右する

スペック上は些細に見えるガイドの差ですが、実は遠投性能を決める最も重要な要素です。ここを理解しておくと、なぜPTSが遠投向きなのかが腑に落ちます。

ガイド数の違い|9個と8個

項目 3-400(ノーマル) 3-400PTS(遠投仕様)
ガイド数 9個 8個
ガイド径 小さい 大きい

ガイドが1個少ないというのは、一見すると「手抜き」のように思えるかもしれません。しかしこれは意図的な設計です。

なぜガイドが少なく大きいと飛ぶのか

通常ガイドと遠投ガイドの違い

キャスト時、スプールから放出された道糸は大きならせん状(コイル状)を描きながら竿先へと進んでいきます。このとき糸はガイドを通過するたびに接触し、摩擦による抵抗を受けます。

  • ガイドが小さい:らせん状に広がった糸が内壁に何度も当たり、勢いが削がれる
  • ガイドが大きい:糸のらせんを妨げず、スムーズに通過できる
  • ガイドが多い:接触回数が増え、その分だけ抵抗も増える
  • ガイドが少ない:接触回数が減り、放出抵抗が小さくなる

つまりPTSは「大きいガイドを、少ない数で配置する」ことで、糸の放出抵抗を二重に減らしているわけです。この設計思想の差が、そのまま飛距離の差となって表れます。

電気ウキ釣りではもう一つ重要な意味がある

ウキ止めがガイドに引っかかる

タチウオの電気ウキ釣りでは、道糸にウキ止めといった小物が付きます。ガイド径が小さいと、これらがキャストのたびに引っかかりやすくなります。

引っかかった瞬間、仕掛けの勢いは止まってしまいます。飛距離が落ちるだけでなく、ウキ止めがズレてタナが狂う原因にもなります。実際に私は8月1日の釣行で、ウキ止めのズレによりウキ下が2.5ヒロから4ヒロ以上に変わってしまい、根掛かりで仕掛け一式をロストしました。

PTSタイプの磯竿のような大口径ガイドなら、ウキ止めもスムーズに通過します。遠投カゴ釣りでPTSが実質必須とされるのは、このような通過性能のためです。

ガイド数が少ないメリットはもう一つ

振出竿は使用前に竿を伸ばしながら糸を通す必要がありますが、ガイドが8個と少ないぶん糸通しの作業が1個分だけ楽になります。夜釣りで暗い中、ヘッドライトの明かりを頼りに糸を通す身としては、地味にありがたいポイントです。

3-400(ノーマル)のメリット・デメリット

メリット

  • 軽い(170g) — 30gの差は数字以上に体感で効きます。サビキやウキ釣りで竿を持ち続ける釣りでは、腕の疲れがはっきり違います
  • 仕掛けの操作がしやすい — 細身で軽快なので、ウキの動きを見ながら誘ったりアワセを入れたりがキビキビできます
  • 仕舞寸法が短い(91cm) — 電車釣行やコンパクトなロッドケースに収めやすい
  • 万能 — サビキ、ウキ釣り、探り釣り、ちょい投げまで一本でこなせます

デメリット

  • ガイドが小さく数が多い(9個) — カゴ釣りのような大きい仕掛けだと、ウキ止めやシモリ玉がガイドに引っかかりやすい
  • 遠投は苦手 — 小径ガイドを9個通るため糸の抜けが悪く、飛距離が出にくい
  • リールシートが華奢 — 重いカゴを何度も振り込むと、リールの固定がゆるみやすい

3-400PTS(遠投仕様)のメリット・デメリット

メリット

  • 遠投できる — 大口径ガイドで糸の放出抵抗が小さく、飛距離が伸びます
  • 仕掛けが引っかからない — ウキ止め・からまん棒・大きめのウキもガイドをスムーズに通ります
  • リールがしっかり固定される — パイプシートをナットで締め込むので、強く振ってもズレません
  • 穂先がやや太い(1.6mm) — ノーマルより少し丈夫で、トラブルで折れにくい
  • ガイドの数が少ない(8個) — 糸の接触回数が減って抵抗が小さく、振出竿を伸ばすときの糸通しも楽です

デメリット

  • 重い(200g) — 手持ちで一晩振り続けるとしんどい。竿掛けに置く釣り向きです
  • ゴツい — 元径が太くなり、握った感じの繊細さは落ちます
  • 軽い釣りがやりにくい — 足元サビキや小型のウキ釣りでは竿が仕掛け負けし、オーバースペックに感じます
  • 仕舞寸法が長い(94cm) — わずかですが収納は不利です

実釣で感じたPTSの効果|タチウオ電気ウキ釣りの場合

遠投キャストの瞬間

ノーマルで感じていた不満

2026年8月1日の釣行までは、ノーマルの3-400を使っていました。当時は電気ウキ5号・天秤オモリ7号という重い仕掛けで遠投を狙っていたのですが、キャスト時にウキ止めがガイドに引っかかる感覚があり、思い切って振り抜けませんでした。

👉 詳しくは2026年8月1日の釣行記事をご覧ください。

PTSに変えて実感した違い

8月13日の釣行から3-400PTSを導入しました。最初のキャストで感じたのは、ガイド径が大きく、思いっきりキャストしてもウキ止めが引っかかりにくいという点です。ロスなく振り抜ける感覚は、ノーマルとは明確に違いました。

結果として3号電気ウキで35m前後を安定して飛ばせるようになり、タチウオがまだ沖にいる時期には大きな武器になりました。

👉 詳しくは2026年8月13日の釣行記事をご覧ください。

ただし重さは確実に効く

一方で200gという重さは、夜通し手持ちで振り続けると確実に効いてきます。タチウオの電気ウキ釣りは竿掛けに置いてウキを眺める時間が長いので大きな問題にはなりませんでしたが、手持ちで誘い続ける釣りには向かないと感じました。

どちらを選ぶべきか|用途別の選び分け

こんな釣りなら おすすめ
足元サビキ、ウキ釣り、探り釣り、一本で色々やりたい 3-400
遠投カゴ釣り、投げサビキ、泳がせ釣りが主目的 3-400PTS
タチウオ電気ウキ釣りでシーズン前に遠投したい 3-400PTS
タチウオが接岸した本番シーズンに使いたい 3-400(またはパックロッド)

最初の一本なら迷わずノーマル

結論として、最初の一本で迷っているならノーマルの3-400です。軽くて扱いやすく、汎用性が高いので、どんな釣りにも対応できます。

PTSは「カゴ釣りをやると決まっている人の専用機」に近い性格で、汎用性ではノーマルに負けます。実際に「重くゴツくなるので、今までの釣りがしんどくなる」という声も少なくありません。

逆に、遠投カゴ釣りをやりたいのにノーマルを買ってしまうと、ガイド絡みのストレスで釣りにならないことがあります。目的がはっきりしているならPTSを選ぶべきです。

私の現在の使い分け

季節による使い分け

両方を使ってみた結果、私は季節によって使い分けるという結論に至りました。

時期 タチウオの位置 使用する竿
5月〜7月(シーズン前) 沖の深場 3-400PTS(遠投仕様)
8月下旬〜11月(本番) 足元〜20m パックロッドまたは3-400

タチウオが遠くにいる時期はPTSの遠投性能が生き、接岸してくれば軽快なノーマルやパックロッドの方が快適です。どちらが優れているかではなく、狙う距離で選ぶ——これが2026年シーズンを通じて得た答えでした。

まとめ|ホリデー磯 3-400と3-400PTSは「用途が違う兄弟」

ホリデー磯 3-400と3-400PTSは、スペック上の差はごくわずかです。ブランクはほぼ同じで、違うのはリールシートとガイドという2つのパーツだけ。それでも実釣での使い勝手は明確に変わります。

特にガイドの差(9個・小径 vs 8個・大口径)は、数字で見ると些細でも飛距離には決定的に効いてきます。遠投を目的にするなら、ここを妥協してはいけません。

  • 3-400:軽快さと汎用性。迷ったらこちら
  • 3-400PTS:遠投性能と仕掛けの通りやすさ。目的が明確な人向け

私自身、長年ノーマルを愛用してきて不満はありませんでしたが、遠投という明確な目的ができて初めてPTSの価値を理解しました。逆に言えば、遠投する必要がないならノーマルで十分だということです。

磯竿選びで迷っている方は、まず「自分は何m先を狙いたいのか」を考えてみてください。その答えがそのまま、選ぶべきモデルを教えてくれるはずです🎣

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